歯と首の関係
公開日
こんばんわ。みどりリハビリサービスのみねざきです。
今日はこんな時間の更新になってしまいました。でも、患者さんが読んでくださっているみたいなので、書きたいと思います。
少し、専門的な話に入ります。
さて、
頸椎は何個あるか、ご存じでしょうか。
正解は7個…ですね。
教科書的には、大体1~2もしくは3番目の頸椎までを上位頸椎。
それ以下を下位頸椎と分類します(本によって、若干異なります)。
全7本の頸椎の中で、頸椎椎間板ヘルニアや変形性頚椎症が生じやすいのは、いわゆる下位頸椎(5~6番目を中心に)となります。
そして頭痛の要因になりやすいのは、後頭骨と第1頸椎および第2頸椎周囲の筋肉の緊張ですね。これは有名はお話であり、この辺りは目の動きとの関連も強いため、眼精疲労→後頭下筋群の緊張→頭痛…といった流れも理解ができます。
ただ頭痛に関しては、頭蓋内を流れる動脈や静脈、リンパ還流の影響も強く受けるため、一概に筋性頭痛と判断することはできません。
さぁ、タイトルにある歯と頸椎の関係について。
人は物をかむとき、頸椎(厳密には、ほかにも要素があります)を視点にして顎に力が加わってきます。
その力はとても強く、頸椎の安定性がそれをサポートしていることになるのです。
とあるテキストで、「噛むときの支点は、第2~3頸椎」と勉強したことがありましたが、実際の臨床で患者さんを注意深く見ていると、確かにそれは間違いではないという事に気付かされます。
第2~3頸椎の椎体間関節や椎間孔などに問題を生じている場合、咀嚼筋や顎関節。また頸筋膜の緊張などが要因になっていることが多々あります。
その場合は、頸椎を治療しても効果が十分に得られません。
上記にある咀嚼筋や顎関節(視点を広げると、夜間の噛みしめ。歯の適合性、歯根膜の緊張など多岐に渡ります)を診ていく必要があるのです。
歯の存在はとても、とても大切です。
以前、歯が抜けてから急激に円背が進んだ患者さんがいました。
要因はひとつではないのでしょうが、噛むことの能力を補正するための円背姿勢なのではないか。と考えたことがありました。
どうゆうことでしょうか?
それでは読者の皆様、下を向いたまま硬いものを噛んでみましょう(するめを推奨)。
すぐに疲れてしまうことに、気付くでしょうか?
普段通りにまっすぐ首を起こしておくと、噛みやすい…。
円背姿勢を取ると、頭が前方に垂れ下がります。そして頸椎は伸展位(反る姿勢)となりますね→頸椎全部が伸展位をとるわけでなないようですが…。
つまり、噛む視点である第2~3頸椎をそらせることで、噛む力を提供しやすくしているのではないでしょうか?
噛む、食べるというのは人にとって。そして生物として、最も大切な行動の一つですよね。
ですから、姿勢を犠牲にしてでも、噛む力を維持したい。
その反応のひとつなのかも知れません。
もちろん、脳の機能低下など複雑に要因は絡んでいるとは思います。
歯は大切!口腔ケアも大切! 身体の本当の意味での健康は、口からなのかも知れませんね。