腰痛について(2)
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さて、それでは腰痛の続きについてです。
前回の記事で、腰痛は診断が付きづらいものという認識を持って頂けたでしょうか。
ただ、間違えてほしくないのは、診断が付きづらい=受診する意味が無いということではありません。
腰痛の中には、危険な内科疾患が隠れていることがあり、その場合は命に関わることもあります。
ですので、今抱えている腰痛が、危険な病気とは無縁なものであるという確認は必要だと思います。
それは医療機関でしっかりやるべきであり、それらを除外し、しっかり休養を取っていても痛みが変わらないという状況が続けば、ほかの治療法を試してみる価値があるでしょう。
多くの痛みは、時間の経過や休息とともに緩和していくことが多いので、「身体はもともと治癒力を持っている」という価値観も大切ですね。
とは言っても、頑固な腰痛も当然あるわけです。
ここからは、自分自身の臨床経験から書かせていただきます。
小学生~高校生ぐらいまでのお子さんに関しては、腰椎椎間関節性の疼痛や筋性の腰痛が多い印象です。ただし、授業中に長時間の座位を強いられるため、椎体間関節や椎間板ヘルニアを抱えている場合もあります。
専門用語が多くなりますが、今は簡単に検索ができますので、読者の方がそれぞれに調べてほしいと思います。
一方的に読むだけでなく、一緒に調べながら頭に入れると、深く頭に刻まれるようですので。
話を戻しますが、お子さんの腰痛に関しては、外傷や先天的な奇形などを除き、ほぼ間違いなく体の柔軟性低下が根底にあります。
多いのは腹直筋や腹斜筋といった、腹筋群の柔軟性低下によって、腹圧が低下しているケースです。
おなかが固いということは、腹圧が高まるのでは?という意見も聞こえてきそうですが、実はそうではありません。
腹圧は腹筋群、背筋群、骨盤底筋、横隔膜といった、いわゆる「コアユニット」が協調して働くことで、維持されます。
一部分だけが固いと、協調して働くことができず、結果的には腹圧の低下につながります。
腹圧の低下によって、背筋群に過剰なストレスが加わり続け、また腰椎の椎間関節も柔軟性が低下してきます。
椎間関節にストレスが加わり続けると、結果的に分離症やすべり症などに進行する可能性があります。
僕自身、高校生の時に腰椎分離症を発症し、運動を数か月間禁止されました。ただ、痛みがないときはどうしても運動をしたくなってしまい、結果的には守れず…。その後、すべり症に進行しています。