ピラミッド
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おはようございます。みどりリハビリサービスのみねざきです。
今日はコメディカルとしてずっと勤務してきた経験から、感じていた難しさについて書きたいと思います。
僕ら理学療法士は、医師の診断そしてリハビリの処方が下りてから、ようやく仕事をすることができます。
診断という行為自体が認められていませんので、医師から下された診断名やリハビリの指示をもとに、患者さんを評価して、ゴールや実際のリハビリプランを決めていくことになります。
ただ、診断は100%ではありません。
リハビリを行うには、何かしらの診断名が付かなければならないのです。
ですから、若干グレーゾーンにいる患者さんでも、何らかの診断名を付けられ、そして医師から説明を受けた上で僕らの元に来ることになるわけです。
この時に下される診断名。
これが時には理解を助ける武器に。時には、理解を妨げる大きな重荷になってきます。
以前にも書きましたが、決められた時間内に多くの患者さんを診なければならない医師にとって、何より優先すべきなのは危険な疾患が隠れていないかの判断になるでしょう。
それを除外した上で、何かしらの診断名を付けるわけですから、なかなか大変なことだと思います。
実際に処方箋を頂いて、リハビリに入った時…
「あれ?」と思うことは、多々ありました。
多いのは、神経症状が出ていないのに、「腰椎椎間板ヘルニア」
筋肉や神経の痛みなのに、「変形性膝関節症」など。
医師の言葉の威力は強く、一度脳裏に焼き付いてしまうと、患者さんの頭からなかなか離れてくれません。
膝の変形が強まって、軟骨下骨で痛みを生じている場合と、筋肉由来の痛みでは、対処方法が大きく変わってきます。
そして、今後の展望についてもしかりです。
色々と細かく説明して、実際に痛みが減った後でも…「変形性してるから、痛いんですよね?」と言われてしまったり。
ここの認識を変えることは、とても苦労した思い出があります。
「原因なんて、どうだっていい。良くしてくれたら、それでいいんだよ」という患者さんも多いのですが…。
医師の言葉は強いんですよね。
だから、あれだけ健康番組があり、そこでコメンテーターとして呼ばれた医師の発言が、一人歩きしてしまったりするわけです。
患者さんをチームでケアするにあたり、ピラミッドの頂点にいるのは、もちろん医師です。
でも、介護もお掃除も、送迎も。医療事務も、検査技師だって。
みんながいるから、患者さんを支えられるわけで。
医師にしかできないことがあり、そして医師にはできないこともある。
もうちょっとピラミッドがなだらかになったらな…。そう思っていた、病院時代の自分です。