脳卒中 片麻痺のリハビリ
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おはようございます。みどりリハビリサービスのみねざきです。
今朝は掃除が長引きました。一つ気になりだすと、なかなか止まらないものです。やはり自分の院ですので、少しでも場を良くして、患者さんをお迎えしたいと思っています。
さて、昨日は3年以上前から通い続けている、片麻痺の患者さんがお越しになりました。
仲間のセラピストが送迎をしてくれて、その後リハビリを一緒に見学していました。自分が研修の運営などで入れない時に、代わりにお願いするためのリハーサルでもあります。
さて、その患者さんは病院での入院期間に、まったく改善が得られなかった難ケースです。
はじめは、病院でのリハビリが相当悪かったのかな?とも思ったのですが、実際に僕自身が介入してみて、そのむずかしさを知ることになりました。
脳卒中後の片麻痺の場合、セラピストが行うリハビリの内容は、ある程度決まってきます。もちろん、方法論もいくつかあるのですが、運動器(膝や腰の怪我など)のリハビリに比べたら、それほど種類は多くありません。
多いのは、麻痺がある側の腹筋や背筋、肩甲骨周りや股関節。その周囲の筋の緊張を整え、働きやすい状況にしてから、四肢の末端を使っていくというものです。
片麻痺の場合、陥りやすい間違いとして、「運動をやればやるほど、麻痺は改善する」というものです。
梗塞や出血のある場所や程度、またもともとのお身体の状態によっては、そのやり方でも改善する方は確かにいます。
ただ、重度の麻痺を患ってしまった場合は、そのようにいきません。
逆に麻痺側の手足の非効率な動かし方を学習してしまい、余計に緊張を高めてしまう可能性が高いのです。
特に上肢(肩甲骨~手)に関しては、かなり繊細な対応を強いられます。
例えば麻痺がある側の手を、リハビリで動かす場合。動かす方向、力加減だけでなく、触る(持つ)場所や声掛け。さらには、セラピストがどのような持ち方をするかなどで、効果が大きく変わってきてしまいます.
病院では様々な病気、けがの患者さんを担当しましたが、脳卒中後の片麻痺はその中で最も難しい部類に入ります(個人的に)。
脳は直接見えません。
脳卒中で死滅してしまった脳細胞周囲に血管新生が進み、そして可塑性(かそせい)をサポートできるのか。
効果判定も、熟練を要するのです。
若手のセラピストでは、そこを見逃してしまうことが多い。独りよがりのリハビリにならず、しっかり効果判定をしながら微調整していくことが、ポイントになります。
ちょっと難しくなってしまいましたが、ここまでとします。
また機会をみて、書かせていただきます。