腰部脊柱管狭窄症について(1)
公開日
おはようございます。みどりリハビリサービスのみねざきです。
さて、今日は脊柱管狭窄症について書きたいと思います。
健康に関するテレビ番組やSNS、雑誌が増えている現在では、この名前を聞いたことがある方は多いのではないかと思います。
腰が痛い…と言って病院を診断された場合、この診断名を付けられることがありますね。
あとは腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、すべり症などが多いでしょうか。
そもそも、腰部脊柱管狭窄症というのは、腰痛を主症状とするものではありません。脊柱管が狭窄するぐらいの状況ですと、筋肉や筋膜、また皮膚や椎間関節なども何かしらの問題を抱えていることがほとんどです。そのため、腰痛も合併している方は多いのですが、そもそもは脊柱管狭窄症の症状は、腰痛ではないのです。
脊柱管狭窄症の症状は、「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」といいます。
座っていると楽なんだけど、歩いているうちに足や臀部などに、しびれや灼熱感、痛みが出てくるというものです。
ですので、酷くなってくると、10mほど歩いただけで、症状が出るようになってくるのです。
この「間欠性跛行」というのは、脊柱管由来のものだけではなく、もう一つあります。
それが、血管性の間欠性跛行です。血管の問題でも、同じような下肢症状が出ます。
足が痛くて、長く歩けない。でも、座って休むと楽になる。こういった場合に、まずはこの2つを鑑別しなければなりません。
ご自身で確認するとしたら、最も良い方法は「自転車に乗ること」です。
自転車を漕ぎ続けても、痛みやだるさなど。足の症状が出ない=脊柱管狭窄症の疑いあり。
自転車でも、足の症状が出てくる=血管性の疑いあり。
なぜこの2つで鑑別ができるのでしょうか。
それは腰部の状態が違うから…です。
腰は元々、前彎といって前方へのカーブを描いています。いわゆる、反り腰にすると、この前彎が強まります。
前彎が強まると、脊柱管の内圧が高まるため、脊髄の中を走行している静脈に圧が掛かります。
その阻血状態が、神経症状に繋がるのではと言われているのです。
逆に腰椎を後方へカーブさせる、つまり後彎させると、脊柱管内の圧が緩和し、脊髄への循環が解放されやすくなり、脊髄を覆っている硬膜も柔軟性が高まりやすくなるのです。
では、腰椎を後方へカーブさせるには、何が適しているでしょうか。
そう、「座る」ことですね。
だから脊柱管狭窄症の方は、座ると楽になる。
ですから、自転車でも同じことが言えるのです。足は歩くときと同じようにしっかりと使いますが、腰は後彎しますので、脊柱管の問題は起きにくい。
この状況下でも下肢に症状が出るようであれば、動脈由来の可能性が…ということです。
それでは実際に、どのようなリハビリを行ったらよいのでしょうか。
続きはまた次回に書きたいと思います。
皆様、良い週末を☆