外反母趾について
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おはようございます。みどりリハビリサービスのみねざきです。
昨日、非常勤先のデイサービスで、職員の方から「外反母趾が痛くて…。でも手術はしたくない!」という会話が。
業務後に、ちょっと足を診せて貰いました。
確かに親指は外反傾向になっていますが、まだまだ変形としては軽度です。
セルフケアで十分に対応できるレベルと判断し、いくつかアドバイスをしてきました。
案外、「外反母趾は治るもの」という認識を持たれていないことが多いですね。
関節リウマチを罹患されているケースなど、強固な外反母趾になってしまうと、
足の指の配列や痛みを取ることが難しくなってきます。
どうしようもなければ、手術という選択肢もありでしょう。
ただ、この外反母趾に対して、いわゆる医療機関は対応が脆弱であると言えます。
もちろん、しっかり評価を行い、リハビリで改善に導いているところもあるのでしょうが、まだ少数派な印象です。
病院で外反母趾と診断されると、多いのは「インソールの作成」と「手術」を勧められることです。
あとは、足の筋肉をつけましょう!というもの。
では、一つずつ考えていきましょう。
①インソールに関して
外反拇趾になるメカニズムというものは、諸説あります。足部の骨の配列が乱れて、結果的に母趾が外反してくる。また、母趾にくっついている筋肉の柔軟性や、筋力の問題から変形をきたすというもの。それと、多く認識されているのは、「偏平足=外反母趾の要因」。これは多くの場所で聞くことができる理論ですが、僕の中では、ちゃんとした偏平足で外反母趾になるケースというのは、少数派です。つまり、外反母趾はあるけれども、扁平足ではないよ!というケースがかなり多いという事になります(ここの理解は、話が難しくなるので、またおいおい…)。病院で外反母趾用にインソールを作成する場合、多くは足型を取り、足のアーチをサポートするインソールが作られます。ただし、もともと足のアーチがしっかりしている方が外反母趾になっている場合、このインソールは効果を発揮できません。そして何より、オーダーメードのインソールはどこも高額です。2~3万円掛かったという話もよく聞きます。大して効果がでないのに、この金額はつらいですよね。
②手術について
詳しい術式などに関しては、ここでは記載致しません。僕自身、医療機関で外反母趾の術後のリハビリを経験していますが、これは思った以上に苦労します。痛み自体は劇的に緩和するのですが、歩き方がなかなか戻ってくれません。そのため、膝や股関節。また腰などに二次障害をきたしやすい。そもそも外反母趾になる要因が、歩行に隠されているわけで…。痛みのある個所だけをいじっても、そのストレス要因は改善されていない。
では、どのような対応をしてみたらよいのでしょうか。
そもそも、関節が曲がっている=痛いという常識は成り立ちません。
腰がくの字に曲がっている農家のおばあさんでも、腰が痛くない!という方はたくさんいます。
明らかに膝が外に向いて、いわゆる蟹股で歩いていても、「膝は別になんでもないのよ」という方もたくさんいます。
外反母趾も同じであり、曲がりの強さと痛みは比例しない。
ですから、曲がりを治さないと痛みが取れないという認識は捨てなければなりません。
そう考えると、シンプルにとらえることができます。
「炎症を起こしている関節包や神経が落ち着けば、いたくないよね」。
さぁ、ここまで頑張ってきました。
実際にどうしましょうか?
炎症に関しては、もともと組織が治癒するための反応として必要な部分もありますが、慢性的に炎症を起こしている様であれば、また話は違ってきます。
炎症を抑えるには、まずアイシングをしっかりやりましょう。
アイスノンやシップなどに頼らず、しっかり氷嚢を作って、アイシングをするのです。
痛みのある関節周囲で、熱を持っている個所に手を移しながら、15分ほど。
それから、「母趾外転筋」という筋肉をしっかり緩めて、筋が滑走する状態を作ってあげます。
母趾外転筋の位置は、参考書などを通して、ご確認下さいませ。
これを緩める手段として推奨するのは、「指圧棒」です。ツボを押すために作られた、木の棒ですね!
母趾外転筋の硬いところを、指圧棒で丁寧に押しながら、緩めていきます。
コリを砕く感覚ではなく、あくまで硬いところを緩めてあげるという感覚でやってください。
この母趾外転筋がしっかり機能してくれると、母趾への負担は大きく緩和します。
あとは100均でインソールを購入しても良いかも知れません。
かかとが安定して歩けることは、結果的に拇趾の負担緩和に繋がりますからね。
この時、偏平足用のインソールにしないことが、コツだったりします。
また履物は、親指の付け根とかかとがゆったりしたものをお勧めします。
とりあえず、以上になりますかね。
まとめると、アイシングと母趾外転筋のケアが大切!ということで…。
これだけでも、半分ぐらいの方は痛みが大きく緩和するのではないでしょうか。
ただし、丁寧にやることが大切。ながら…は当然×ですね。
長くなりましたので、ここまでとしましょう。
今日も頑張ってまいりましょう。