変形性膝関節症(2)
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おはようございます。みどりリハビリサービスのみねざきです。
さて、昨日の続きを書きたいと思います。
僕が理学療法士になりたての頃から比べると、変形性膝関節症に対するリハビリの方法論は大きく変わりました。僕が新人の頃は、医師からのリハビリの指示も「大腿四頭筋の筋力強化」が第一に挙がっていた様に思います。
そして現在は、まず伸びなくなっている膝の可動性をできるだけ回復させること。隣接する股関節や足関節の筋力を強化したり、働きやすくすることで、膝への負担を変えようとするもの。インソール(足底板)を作成して、体重の乗り方を変えることで、膝の痛みや負担を緩和するというもの。などなど。
ただし、方法論が増えたからと言って、患者さんに提供できるリハビリの質が上がっているかというと…?
例えるなら、しょうゆラーメン専門で営業していたお店が、タンメンや餃子、野菜炒めなどメニューを増やすことで満足度を高めていることに似ているでしょうか。
そうなると、本質であるしょうゆラーメンの味が落ちがちですね。よくあるパターンです。
時代の変化とともに様々な知識が付いても、実はもっと他に大切なことがあったりするものです。
基礎を大切にしない新人の子が増えると、大腿四頭筋の筋力強化を適切に行えず、その効果をさらに疑うという悪循環に陥りやすいのです。
さて、実際にどうやっていけばよいでしょうか。
本来、活字だけで伝えるのはとても難しいのですが、そのなかでも効果を出せるようにチャレンジしてみます。
大腿四頭筋というのは、内側広筋・中間広筋・外側広筋・大腿直筋の4つに分けられます。この4つの筋肉を個別に鍛えていくことが大事なポイントです。
ただ単に、椅子に座った状態で膝を伸ばす運動をしたり、またスクワットや膝の下にタオルを入れてつぶすような運動をしても、あまり効果が出ません(スクワットやタオルをつぶす運動に関しては、大腿四頭筋の筋力強化以外にも副次的な効果があるため、トータルで考えると膝は楽になったりします)。
変形性膝関節症に関しては、O脚とX脚のタイプがありますが、今回は共通して効率よく鍛えられる方法を書きますね。
まず鍛える順番としては、中間広筋→内側広筋→外側広筋→大腿直筋の順番が良いのです。
これが一番効率的に鍛えられると思います。理由はとても長くなってしまいますし、どうしても知りたい方は実際に施術を受けにきて下さいませ(笑)
では、どのようにやったら良いのか。
座って膝を伸ばすというやり方は、同じです。ただし、それぞれの大腿四頭筋に効かせるには、そこにちょっと工夫する必要があります。
中間広筋→膝の裏~太ももの裏に、タオルを丸めたものを差し込んで膝を伸ばす。
内側広筋→タオルは使わず、つま先を軽く内側に向けながら、膝を伸ばす。その際に、足の中指と膝のお皿が一本の糸で結ばれているように感じながら行うと効果的です。
外側広筋→タオルは使わず、つま先を外にしっかり向けて膝を伸ばす。その際、3秒間は伸ばしたままで止めること。長く筋肉に力を入れたほうが、よく働いてくれます。
大腿直筋:足首の甲の面に、広げたハンカチを乗せ、それを落とさないように膝を伸ばします。タオルなど重いものを乗せてしまうと、ほかの大腿四頭筋も力が入ってしまうので、あくまでハンカチ程度にとどめておくことがポイントです。
これがコツになります。それぞれ、20回~30回ほどやってあげてください。
終わった後は、膝がキレイに伸びる感触が得られると思います。
どうぞお試しくださいませ。